藻類から抽出された抗ウイルスレクチン(SARS-CoV-2、HIV、Influenza、Ebora)

藻類から抽出された天然分子(多糖類やレクチン)を抗ウイルス薬として検討した例は多く、Zhengzhou University, Chinaらのグループは、そのレビューを行っています。
https://www.mdpi.com/1420-3049/26/8/2134/htm

多糖類については、カラギーナン、ガラクタン、キトサン、アガー、フコイダン、ラミナランらは、あまりに有名であり、一度は名前を聞いたことがあるかも知れません。これらの作用機序については、ウイルスの宿主細胞への吸着阻害、ウイルスRNAの転写や複製の阻害、ヒトの抗ウイルス免疫の活性化らにあるとされています。多糖類は水溶性でもあり、副作用も少なく、手軽だと思われます。詳細については、もしご興味があれば、本論や引用文献を参照して頂きましょう。

ご存知のようにウイルスのエンベロープタンパク質は強く糖鎖修飾を受けており、藻類から抽出された糖鎖結合性のレクチンを用いて、ウイルスの感染を阻害する試みについても多くの研究例があります(下図はその代表例)。

 

 

 

 

 

 

糖鎖とレクチンの相互作用を用いてSARS-CoV-2にいかに立ち向かうか?については、過去のブログ記事も大いに参考になります。レクチンを抗ウイルス薬として用いる場合の副作用をどう克服するか?が大きな挑戦となっています。