COVID-19におけるIL-33の発現が、回復期血清陽性率と相関している

Max Planck Institute of Immunobiology and Epigeneticsらのグループは、COVID-19の回復期患者のSARS-CoV-2特異的なIgGの血清陽性率がIL-33と相関していることを見つけました。
https://www.nature.com/articles/s41467-021-22449-w

著者らは、COVID-19の回復期患者=20名から末梢血単核細胞(PBMC)を得て、CDマーカーによるその細胞構成の把握と、SARS-CoV-2 Spikeによる刺激を与えた場合のサイトカインの発現を評価しています。IL-33, IL-6, IFN-ɑ2, IL-23らサイトカインの産生とCD4+CD69+ T細胞の相関を調べると、IL-33が最も強くCD4+CD69+ T細胞と相関していることが分かりました。IL-33はIL-1βやIL-18と相同性の高いアミノ酸配列を有するIL-1 ファミリーに属するサイトカインとされていますが、未解明の部分も多いサイトカインです。IL-33を産生する細胞が何なのかについては、CD14単球で最も高発現していることが分かりましたが、血清陽性者と血清陰性者の間で差が見られず、従ってIL-33を構成的に作ることができる他の細胞から生理活性を持つIL-33の産生を引き出すことができるCOVID-19特異的なT細胞が関係している可能性が指摘されます。これらの結果は、IL-33がCOVID-19の病因に関与する可能性があることを示唆しています。