膵管腺癌のオルガノイドを用いたバイオマーカー探索について

Harvard Medical Schoolのグループは、膵管腺癌のバイオマーカーとして、そのオルガノイドを用いた研究から候補となるバイオマーカーを報告しています。

https://insight.jci.org/articles/view/135544

(1) 糖鎖の観点から:High mannoseおよびLewis Xエピトープ構造が膵管腺癌で増加する。

(2) 細胞外小胞(EV)タンパク質の観点から:ANXA11(アネキシンA11:小胞体の輸送小胞COPIIの出芽領域に動員されるカルシウム依存性リン脂質結合タンパク質)が増加する。

更なる研究の進展を期待しましょう。

 

Deep Learningによる胸部X線撮影画像の診断で新型コロナウイルス(COVID-19)の診断精度が大きく向上した

新型コロナウイルス(COVID-19)の診断として胸部のレントゲンやCTが常用されます。Univ. of Oklahomaのグループは、胸部のX線撮影画像からCOVID-19由来の肺炎かどうかを判別するに際し、Deep Learningの手法を取り入れることで、その診断精度を上げることに成功しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S138650562030959X?via%3Dihub

Deep Learningは、Convolutional Neural Networkを6層使用し、入力する胸部X線撮影画像を224 x 224 x 3のサイズとし、Convolutionは3 x 3としています。入力画像の x3はR, G, Bの3色であることを示します。X線撮影画像は、白黒のグレーですので、R, G, Bの3色は、下図に示すような画像の前処理で作っています。下図において、(Ip)は横隔膜を除去した画像、 (Ieq)は画像の強度ヒストグラムを用いてコントラストを調整する画像処理方法を加えたもの、そして (Ib)は、更にバイラテラルフィルタを加えたものであり、この3つの (Ip), (Ib), (Ieq) を用いてR, G, B画像をシミュレートしています。

 

 

 

 

 

Deep Learningの結果は、
X線撮影画像をそのまま用いたsimple modelで、精度として88%が得られ、上記した画像の前処理を加えると精度は94.5%に向上したとのことです。

Deep Learningを用いた診断が益々医療の現場で用いられる時代になるのではないでしょうか?