T-抗原が神経膠芽腫のマーカーになりうるのか?

Department of Neurosurgery, the First Affiliated Hospital of Anhui Medical University, Hefei, Chinaのグループは、T 抗原が、神経膠芽腫患者の無増悪生存期間のバイオマーカーとなる可能性があると報告しています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acn3.52082

彼らは、レクチンマイクロアレイ(11種のレクチンを搭載)を用いた研究から、Jacalinで検出した血清中T-抗原レベルが神経膠芽腫組織のレベルと正の相関があり、神経膠芽腫再発を予測する無増悪生存期間の非侵襲性バイオマーカーとして使用できる可能性があると結論づけています。

しかしながら、Jacalinの糖鎖結合特異性は、GlcNAcβ1-3GalNAc (Core3)、Siaα2-3Galβ1-3GalNAc (シアリル T)、Galβ1-3GalNAc (T-抗原)、α- GalNAc (Tn-抗原)と非常にブロードであり、PNAはGalβ1-3GalNAc (T-抗原) に対して高い結合特異性を持っているにも関わらず、神経膠芽腫を有意に識別できていないことから、ブログ著者は、彼らの結論には問題があると考えています。