脛骨内果骨折体験記(1)

ロフトから足を踏み外して2mほど落下してしまいました。

足首と顔にただならぬ痛みが走り、あちゃ、やってしまったかも、ねん挫と打撲の痛みを超えていると思いました。視界がチカチカするトゲトゲした模様で埋め尽くされ、視界も白く飛んでしまって、周りの景色が霞んで見えません。起き上がろうにも痛みとぼやけた視界のせいで体に力が入りません。そうこうしている間に、
「どうしたの?、すごい大きな音がしたよ」って家内が飛んできて、
「やばいロフトから落ちた、足首が痛くて動けない」
「どこが痛いのかな?外くるぶし?それとも内くるぶし?」
「どこをどう打ったのか?わからないけど、内くるぶしのあたりが一番痛い」
機転を利かせて足首に湿布を貼ってくれました。おそらくこの救急措置が症状の悪化を食い止めるのに役に立ったのだと思います。
落下直後は激痛で、それが収まるまで待つしかなかったのですが、この緊急処置もあり、痛みは治まってきました。じっとしていると痛みを感じなくなりました。
それからしばらくすると視界も落ち着いてきたので、起き上がって歩こうとして、けがした左足を床につけたらとんでもない激痛が走りました。
「ダメだ全然歩けないや!午後から名古屋に行く予定だったのに、参ったな!」
とにかく、お医者さんに行くしかないので、2階から1階に降りる上段の階段に座り込んで一段一段をゆっくりとおしりを使って降りました。
「どうする救急車呼ぶ?」
「いや、大袈裟だから自分の車で行こう」
右足でケンケンして何とか車にたどり着き、後席に乗り込みました。まだ視界は完全に治っていません、ぐるぐるしています。そして、家内の運転で病院に向かいました。行く病院は、近くにあるヨナハ丘の上病院と決めていました。家内が受付を済ませて看護師さんと車椅子を持って駐車場まで来てくれました。
「どうしました、大丈夫ですか?顔色から血の気が引いていますよ、唇も紫っぽいです」
お陰様で段取りは素早かったので、脳神経外科と整形外科の両方に診てもらうことになり、血液検査、X線撮影、CT撮影を短時間に終えました。幸い脳内には出血はありませんでした。X線写真には、脛骨内果にパックリ入った骨折と、ひびの入った脛骨が写っていました。
「即入院してください、手術が必要です」と先生から診断結果を告げられました。
あっと言う間に入院の説明が始まり、追加検査が始まりました。血液検査、尿検査、心電図、心エコーです。例に漏れず、同意書の署名書類が一杯並びます。麻酔については、麻酔担当の先生からブロック麻酔と全身麻酔がありますと説明を受け、
「どうされますか?」と質問されました。
「全身麻酔でお願い致します」とお答えしました。

いよいよ翌日の11:30に手術が行われます。手術前にシャワーを浴び、手術着に着替え、事前にラクテック注(500mL)が点滴されます。そして、手術開始5分前にいよいよ手術室に入ります。最初に酸素吸入を受けます、体中に酸素を行き渡らせるんですね、なるほど。そして、
「麻酔始めますね」と言う先生の言葉で静脈注射が行われました。
一瞬冷たいものが入ってきた感覚があります。麻酔薬が静脈注射されてから数秒は意識があった感じですが、目覚めた時には手術が終わっていました。その間は全く何にも覚えていません。先生や看護師さんが話しかけてくれているのが聞こえますが、まだ麻酔が残っていてうまく喋れません。まだぼやけた意識の中で、手術を担当された先生だと思います、「うまく行きましたよ!」って言って頂いたのを理解しました。ありがとうございます。


before and after
脛骨内果骨折だけでなく脛骨にひびが入っていたので、整骨して固定するのに金属プレートが使われています。
使用された金属プレートは、骨端用プレート(生体用合金I)標準型ということです。
お医者様のお話では、「この金属プレートは、抜釘する必要はありません」とのことでした。

下図は術後の両足です。
健常な右足は、深部静脈血栓を防ぐための弾性ストッキングを履き、更にその上から血流を促進するためのエアポンプが付けられています。
骨折した左足にはシーネが添えられ、包帯がしっかり巻かれて固定されています。

糖鎖創薬は視点を変えるべし

糖鎖関連ビジネスを成功させる為には何が必要なのか?というブログ記事を2025年7月1日に投稿しています。今回の記事では、少しブログ管理人が絡んだ実例を織り込んで、より見えやすい形で記載してみようと思います。

実は、ブログ管理人が、過去に大手製薬企業のNovartisとスタンフォード大学との共同研究で下記のような論文を投稿したことがあります。
Transient expression of an IL-23R extracellular domain Fc fusion protein in CHO vs. HEK cells results in improved plasma exposure
これはサイトカイン(IL23)をCHOとHEKで発現させたときに(実際には、Fc-fusionプロテインとして発現させています)、両者には薬理動態的に大きな差異があり、その差異は糖鎖修飾の違いによるものだったというお話です。CHOで発現させたIL23の方が血中濃度が高くなります。
この実例は、糖鎖修飾の様子を変えてあげることで、バイオ医薬品に関してそのバイオベターが容易に開発できる可能性を示しています。

今日現在、如何なるバイオ医薬品が上市されているのかについては、国立医薬品食料衛生研究所の下記情報が参考になります。
承認されたバイオ医薬品

リストされているバイオ医薬品について、発現している典型的な糖鎖構造に関する記述があります。ご存知のように、糖鎖は非常にヘテロな集団ですので、記載されている糖鎖構造の派生構造が多様に発現しています。CHOらの発現系を使うと、100%単一な糖鎖構造が発現することはあり得ません。それにしても、バイオ医薬品として既に認可されている医薬品に発現している糖鎖構造について、それが薬効としてベストな構造としての選択を経た結果であるのか?それとも使用している発現系の結果としてそうなっているのか?については、ブログ管理人には全く不明です。
ブログ管理人が言いたいのは、つまり、すでに認可されているバイオ医薬品の糖鎖構造を再吟味することで、バイオベターが生まれる可能性は非常に高いのではないか?という事です。抗体医薬品に対しては、ポテリジェント技術が非常に有名ですが、酵素、血液凝固線溶系因子、ワクチン、ホルモン、インターフェロン、サイトカインらそれ以外のバイオ医薬品についても、それぞれの医薬品に対応して、その薬効をバイオベターとして生かせる糖鎖構造があるかも知れないということです。

糖鎖創薬は視点を変えるべし、これがバイオベターへの近道なのではないでしょうか?

トランプ大統領は米国が輸入半導体に100%の関税を課すと発表、ただし一部企業は免除と表明

トランプ大統領は米国が輸入半導体に100%の関税を課すと発表、ただし一部企業は免除

この発表は、日本に対しては非常に難しい問題になるのではないでしょうか?2nmノードの半導体生産(試作中)を進めるラピダスですが、工場は北海道内にあり、米国製造拠点を設けるという話は聞きません。国内半導体の大手であるルネサスやキオクシアにしても、米国に製造拠点はありません。ラピダスの場合は、IBMとの連携がありますが、トランプが言っているのは米国内に製造拠点を持つ、或いは米国に生産拠点の製造計画を表明している半導体企業は除くとなっているので、IBMは解決にならない可能性があります。

この状況では、NVIDIAら半導体設計の大手米国企業がラピダスに発注してくる可能性はなくなるでしょう。半導体のサプライチェーンの構築に際して、日米が政府レベルで連携でもしない限り、日本の半導体はまたもや窮地に陥りそうです。

人は速さに慣れると後には戻れない:世界最速の糖鎖プロファイラー GSL2200

世界最速の「エバネッセント波蛍光励起法」を採用する糖鎖プロファイラー”GSL2200”のご紹介です。

最高感度を実現するスキャン条件でもスライドグラス=1枚のスキャン時間はわずか10秒です。どのスキャン条件で最適画像が得られるかは、サンプルに依存するために、通常、幾つかのスキャン条件をセットしてスキャンを行います。
例えば、露光時間=1秒、2秒、4秒、6秒、8秒、10秒でスキャン条件を設定したとします。この場合でも、トータルのスキャン時間は、31秒で終わってしまいます。
通常のレーザースキャン型スキャナーでは、解像度の設定によってもスキャン時間は変わりますが、5分~10分といったところが標準的なスキャン時間になります。この状態で、幾つかのスキャン条件を設定してスキャンさせると、総スキャン時間が30分を超える場合すら出てきます。
GSL2200が如何に素早くスキャンできるかがお分かりになると思います。

解像度は大丈夫なの?とご心配されるかも知れませんが、実用上全く問題はありません。上図は、LecChipをスキャンした時の画像例を示しています。
検出限界感度も2ng/mLと十分高く、簡易的な糖鎖プロファイラーとして十分な性能を備えています。

糖鎖と糖鎖結合性タンパク質(GBPs)間の相互作用に着目した治療薬開発の可能性について

本記事は、スロバキア科学アカデミー化学研究所の研究者による「人における糖鎖の役割」に関するレビュー論文のご紹介です。
https://www.mdpi.com/1420-3049/30/13/2678

本論文では、糖鎖とセレクチン、ガレクチン、シグレックといった糖鎖結合性タンパク質(GBP)間相互作用を標的とした治療薬開発の可能性について以下のようにまとめています。糖鎖関連技術を社会実装する上でのポイントが簡潔にまとめられていると思います。

    1) 糖鎖-GBP相互作用の阻害剤、例えばUproleselan(グリコミメティクス)
    2) 糖鎖を標的とするモノクローナル抗体、例えばガングリオシドGD2を標的とするDinutuximab/Unituxin(国立がん研究所)およびNaxitamab/Danyelza(メモリアル・スローン・ケタリング癌センター)
    3) 病原菌および癌に対する糖鎖ベースのワクチン、例えばインフルエンザ菌b型に対する糖鎖ベースのワクチン(サノフィパスツール、ヒベリックス、メルク社製Pentacel)、そしてまた癌ワクチンとして、sTn抗原、ガングリオシドGM2、糖脂質グロボHおよびガングリオシドGM3を標的とするTheratope(バイオミラ)、GM2-KLH(メモリアル・スローン・ケタリング癌センター)、OPT-822(OBIファーマ)、およびRacotumomab(ハバナ分子免疫学センター)
    4) 免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の効率化
    5) 糖転移酵素阻害剤(CPI)による糖鎖生合成の改変

ご参考になれば幸いです。

糖鎖関連ビジネスを成功させる為には何が必要なのか?

糖鎖は、核酸、タンパク質に次ぐ第三の生命鎖として注目されていることは周知の事実であります。

糖鎖の主な機能とは、(1)細胞認識、(2)細胞接着、(3)シグナル伝達、(4)タンパク質の機能調整、そして(5)免疫応答であると言われます。恐らくこれらの根幹にある機能は、自己と非自己の認識機能であると考えられます。糖鎖は細胞の顔と言われるように、細菌やエンベロープ型ウイルス、正常細胞と癌細胞、そしてまたES, iPSといった幹細胞らで大きく違っています。このような糖鎖の違いを認識する機能分子としてレクチンが存在しています。レクチンには、細胞膜上に発現するものと分泌型のそれがあります。細胞膜上に発現するレクチンの代表例は、C-型レクチンやSiglecであり、分泌型レクチンの代表例には、血中に存在するMBLやフィコリンがあります。C-型レクチンとしては、DC-SIGN, Langerin, Dectin-1, MGLなど数多くの種類が知られていて、その基本的な機能は、外来異物の糖鎖を認識し、自然免疫反応を誘起することであります。Siglecの場合は、発現する細胞はほとんどが免疫細胞であり、シアル酸を認識して免疫作用の調製に関与します(癌治療において、SiglecがPD-1同様に免疫チェックポイント分子になっていることが良く知られています)。MBL(これもC-型レクチンですが)らの分泌型レクチンは、血中を流れる外来異物の糖鎖を認識し、補体経路を活性化して自然免疫反応を誘起しています。

細胞接着という観点での代表例は、炎症が起こった時に血管内皮に発現するP-セレクチンと白血球上のシアロ糖鎖との相互作用、癌の転移能に糖鎖が関わっていること、更にはウイルスの感染と言った事例を上げることができます。最も代表的な例がインフルエンザウイルスの感染であり、ウイルスの持つヘマグルチニンと宿主細胞のシアル酸が結合することで、ウイルスエンベロープと宿主細胞間の細胞膜融合が誘起されます。SARS-CoV2の場合には、ウイルスのRBDと宿主細胞のACE-2が結合することが細胞膜融合を誘起するとされていますが、宿主細胞のC-型レクチンにSARS-CoV2の糖鎖が結合することで感染が誘起されるという経路も知られています。

シグナル伝達とタンパク質の機能調整ですが、殆どすべての膜たんぱく質には糖鎖修飾が存在することから、受容体とリガンドの結合に糖鎖が関係してしまうのはしごく当たり前な話であります。糖鎖が受容体とリガンドの結合に抑制的に働く場合もあれば、増強的に働く場合もあります。抑制的に働くのは糖鎖による結合阻害だとして容易に理解ができると思います。抑制的に働く例としては、IgGのFc部がコアフコース化されるとIgGとFcR間の相互作用が抑制されてADCC活性が下がる事例が有名です。増強的に働く例としては、免疫チェックポイント分子であるPD-1がコアフコース修飾されるとPD-1の発現が上昇しPD-L1との結合が強くなるというような事例を上げることができます。レクチンの中でもガレクチンは変り者で、細胞質、細胞膜、細胞外に存在します。分泌型のガレクチンは何をしているのでしょうか?一つの例は、FGFRに発現しているガラクシドに結合し、FGFが正規なリガンドであるとすれば、それをミミックするような機能を持っていたりもします。

このようにして糖鎖とレクチンの機能を概観してみると、攻めどころは下記になると考えられます。
1.診断薬応用
糖鎖は発現系であり、細胞の状態の違いを如実に反映しています。従って、新たな疾患バイオマーカーとなり得る可能性は非常に高くなります。しかしながら、糖鎖は非常にヘテロな集団ですし、似たような糖鎖構造がターゲット細胞以外でも発現している場合があるので、特異性が問題になります。対象疾患から分泌される特異的なタンパク質とその疾患に特異的な糖鎖を同時に測定することが特異性の改善につながります。更には、糖鎖は増幅することが困難であることから、感度も大問題になってきます。この二面性を包括的に解決できるような対象疾患を慎重に選択する必要があります。成功している検査薬には、AFP-L3やM2BPGiがありますが、両方とも肝臓疾患であり、さもありなんと思わせます。

2.医薬品応用
細胞内のシグナル伝達は、リガンドと受容体の相互作用が起点となって誘起されます。リガンドを糖鎖という言葉で置き換えた時の受容体はレクチンという事になります。従って、糖鎖とレクチンという関係性を持って誘導されるシグナル伝達は、レクチンが備えている機能に限定されてしまいます。つまり、大部分が自然免疫がらみの機能になるかと思います。それでも見込める効果が十分であれば、ここを突き詰めるだけで大成功する可能性があります。インフルエンザウイルスの特効薬であるタミフルはこの良い例です。但し、タミフルは,ウイルスが宿主細胞から別の細胞へと感染を広げる際に必要となるノイラミニダーゼを阻害することが作用機序なので、宿主細胞のシアロ糖鎖を暴漢から守ってるイメージです。ともあれ、この路線では、レクチンが認識しないような糖鎖構造の詳細解析を推し進めても効果が薄いことが想像されます。
生体内には、その他無数のリガンドと受容体の相互関係が存在します。例えば、上記したようなIgGとFcR、FGFとFGFR、PD-1とPD-L1といった関係性です。これらの関係性においては、誘起される細胞内シグナル伝達においては、糖鎖が直接的に関与するわけではなく、そのリガンドと受容体間の相互作用に調整役として間接的に働くということになります。例えば、IgGを脱フコースした抗体医薬品の技術はポテリジェント技術として極めて有名です。糖鎖を標的とする創薬というと、糖鎖がありとあらゆるところに存在するが故に、糖鎖が様々な生命現象に関与しているとして大風呂敷になりがちです。本ブログ管理人が考えるに、効率的に開発するためには、新規モダリティーにこだわるよりも、むしろ既存の医薬品に対して糖鎖修飾の違いがどのように影響を与えるのかをシアリダーゼらを駆使してスクリーニングした方が効果的であり、それによってより薬効の高い新薬(バイオベター)を発見できる可能性が高いのではないでしょうか。この視点では、最終的に糖転移酵素の制御がキーになる可能性もありますよね。

前立腺がん治療の分子標的候補にFUT-8が浮上

Newcastle University Centre for Cancer, Newcastle University Institute of Biosciences, Newcastle, UKらのグループは、FUT-8 は前立腺がんの治療における分子標的となる可能性があると報告しています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12086987/

本研究においては、FUT8は前立腺癌の進行の重要な因子であることが示されており、前立腺腫瘍におけるコアフコシル化のさらなる特徴解明の必要性が示唆されています。
前立腺がんの生物学的なFUT8の重要な役割を考えると、FUT-8が前立腺がん治療の分子標的となる可能性があると結論されています。

複数個のレクチンを使用して得られたLPSの糖鎖プロファイルに機械学習を適用して細菌種を同定するセンサー

Department of Chemistry, Pavillon Alexandre-Vachon, 1045, avenue de la Médecine, Université Laval, Quebec, Canadaのグループは、複数個のレクチンを用いたLipopolysaccharide (LPS)の糖鎖プロファイルとそれに機械学習と組み合わせた細菌種の検出法について報告しています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12019741/

グラム陰性細菌の主要構成成分であるLPSの検出と分類は、医療、環境モニタリング、食品安全といった分野において根幹を成す重要な課題です。

本研究では、表面プラズモン共鳴(SPR)センサー上に固定化された2種類から7種類のレクチンパネルを用いた新たなアプローチが示されています。細菌固有の糖鎖結合プロファイルに基づき、機械学習手法と組み合わせることで、細菌種を高精度に同定できています。使用した機械学習手法は、ランダムフォレスト(RF)、k近傍法(kNN)、サポートベクターマシン(SVM)です。

このようなマルチプローブと機械学習手法を組み合わせた検出手法は、センサー構築における最近のトレンドと言えるでしょう。

潰瘍性大腸炎の患者ではシアル酸アセチル化が減少している

Center for Clinical Mass Spectrometry, College of Pharmaceutical Sciences, Soochow University, Suzhou, Jiangsu, Chinaらのグループは、SIAEを介したシアル酸アセチル化の減少が潰瘍性大腸炎の特徴となっていると報告しています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12011031/

本研究では、質量分析法により、潰瘍性大腸炎患者のタンパク質および糖タンパク質の変化が健常者と比較されています。
潰瘍性大腸炎患者の組織ではシアル酸とそのアセチル化が減少しているのに対し、健常者ではシアリル化とO-アセチル化がより多くみられることが明らかになりました。

シアル酸は、特にアセチル化された状態では、免疫細胞間の相互作用を調節するメカニズムを通じて炎症を防ぎ、腸壁を有害な細菌から保護することで、腸内での過剰な免疫反応に対するバリアとして機能し、大腸において保護的な役割を果たしているとの見解です。

レクチンの応用は医療だけなのか?いや農業分野にも可能性はある!

Instituto de Química, Departamento de Química de Biomacromoléculas, Universidad Nacional Autónoma de México らのグループは、二枚貝から抽出される新しいレクチンのファミリー、mytilectin、について、その糖鎖結合特性と応用について報告しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0141813025028909?via%3Dihub

レクチンは、医療的な視点から、腫瘍細胞を標的とするプローブ分子や治療薬として評価されてきました。本論文では、医療応用ではない他分野、即ち農業分野における植物病原菌に対する生物防除剤としてレクチンを使用することを提案しています。

本論文では、作物の収穫に大きな影響を与える2種類の真菌と2種類の卵菌に対するmytilectinの抗真菌および抗卵菌活性が示されています。Mytilectinは、真菌の Alternaria alternata と Fusarium oxysporum、および卵菌の Phytophthora capsici と Pythium aphanidermatum の成長を完全に阻害しました。特に、mytilectinが市販の抗真菌制御剤 (CAPTAN) よりも優れた阻害特性を示すことは注目に値します。

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