Glyco26番外編:台北に旅行したら外すべからず故宮博物館、故宮博物館への行き方

台北へ旅行したら外せないのは、故宮博物館と九份ですよね。 Glyco26に参加するために台北を訪れたのですが、空き時間を捻出して故宮博物館を観光してきました。 今回自分が実際に利用した台北駅から故宮博物館への移動方法について具体的にご紹介したいと思います。

台北には6本の地下鉄(MRT)路線があります。MRTやバスに乗るためには、先にご紹介した「番外編:台北に旅行したら外すべからず九份観光、台北から九份往復の実際」に記載したTPASSを使いました。駅の自動改札機は、日本のそれとは少し形が違っていて、TPASSを認識させるには、きちんと方向を揃えて押し付ける感じにしないと行けません。結構エラーが発生する感じでして、何回もTPASSを押し当てる作業を強いられたことがあります。日本の自動改札機をPASMOやSuicaで通過する場合より丁寧な操作が必要です。

さて、使用するMRTの路線は、赤色の淡水信義線です。台北駅からMRTに乗り、士林駅でおります。故宮博物館へは、ここからバスに乗りますが、バス停は1番出口を出て高架下の信号の手前を右に曲がると直ぐ近くにあります。故宮博物館に行くには「紅30」と書かれたバスに乗るのが一番便利です。10分ほどで故宮博物館に到着です。

故宮博物館は、9時から開きます。混雑を避けるため、朝一番で乗り込むことをお勧めします。11時を過ぎるとかなり混んできます。ルーブル美術館やメトロポリタン美術館にも行ったことがあるのですが、キリスト教を色濃く反映するこれら欧米の美術館と比べると、中国四千年の歴史と仏教を色濃く反映するまさに東洋を代表する博物館であることが実感できます。展示物を全てご紹介することは不可能ですので、代表的な展示物をコラージュしてご参考致します。

皆様も是非一度はご覧になって見てください。なお、地下一階に大きなショップがあり、品数も豊富ですのでお土産探しにはとても良いです。ここはクレジットカードが使えるので助かりました。白菜も小から大まで4種類くらいのサイズで売っていました。

Glyco26番外編:台北に旅行したら外すべからず九份観光、台北から九份往復の実際

台北へ旅行したら外せないのは、故宮博物館と九份ですよね。
Glyco26に参加するために台北を訪れたのですが、空き時間を捻出して九份を観光してきました。

今回自分が実際に利用した台北から九份への移動方法について、その往復を具体的にご紹介したいと思います。
九份へは、台北駅から台湾鉄道(TRA)に乗り、台北駅→松山駅→南港駅→汐科駅→汐止駅→五堵駅→百福駅→七堵駅→八堵駅→暖暖駅→四脚亭駅→そして瑞芳駅へ向かいます。
台北駅から瑞芳駅までは直通の電車もありますが、そうでない場合は八堵駅で乗り継ぎします。
なお、十分に行きたい場合は瑞芳で平溪線に乗り継ぎます。平溪線は本数が少ないので時刻表を確認して無駄なく観光できるようにした方が良いです。
さて、瑞芳駅についたら、バスに乗り継いで九份老街で降ります。バス停は、瑞芳駅から歩いて3分強ほどのところにあります(下図を参考にしてください、駅前の大きな道を左方向へ3ブロック一直線です)。

台湾では、2023年7月1日からTPASSというカードが発行されており、駅の窓口で悠悠カード(EasyCard)を下さいと言うとTPASSが押し売りされます。しかし、問題ありません。悠悠カードとは完全互換であり、台湾の鉄道、地下鉄(MRT)、バス、コンビニなどで使用可能です。日本のPASMOとほぼ同じと思えば間違いないです。コンビニらでの少額の支払いには、悠悠カード(TPASS)を使うのが便利です。チャージは駅でできます。なお、カードの購入には100元取られます。

九份老街のバス停で降りるとすぐ近くに基山観海亭という展望台があります。まずは、ここに上って九份の風景を堪能しましょう。遠くに見える小島が空に浮いているように見えませんか?

展望台を降りて、右手方向に道なりに歩いていくといよいよ基山街の入り口が見えてきます。基山街は、細くて長いノスタルジックな商店街で、400m程歩くと阿妹茶樓(アーメイチャーロウ)がある場所にたどり着きます。千と千尋の神隠しのモデルになった場所とも言われますが、その真偽は自分には定かではありません。

この商店街でお土産を買いたかったのですが、全部といっても間違いではないと思うのですがクレジットカードが使えるお店がなく、悠悠カードの残額も多くはなく、最近は国内では現金を基本的に持ち歩かない習慣になってしまっていて、台湾でも現金は最低限しか持っていなかったので、やむなく九份でのお土産の購入は断念しました。将来的には分からないですが、台湾はまだまだ現金社会なので、ある程度現金(2~3千元)を持っていたほうが良さそうです。もちろん、ホテルやデパート、大手のお店などではクレジットカードは問題なく使えます。しかし、AMEXはまず使えないと思ったほうが良いですね。

基山街にも少ないですがところどころで、「臭豆腐の生ごみが腐ったような匂い」がする場所があります。自分はあの匂いは耐えられなくて、皆様もお気を付けください。台北の夜市の匂いはここ九份とは比べ物にならないくらい強烈でして、夜市の雰囲気は一回味わえばもう良いかな~~という感じです。「臭すぎです!」あの場所で物を食べる気には自分は到底ならないです(笑)。

阿妹茶樓周辺の写真を取るには、反対側にある海悦楼景観茶坊の階段辺りが絶景ポイントになります。しかし、階段のところにはロープが張られていて立ち入りが出来ない様になっていました。ところがところが、見張り人の方が「日本人ですか?」って聞いてきて、「はいそうです」と答えたら、ロープを外して招き入れてくれました。おかげ様で良い写真が取れました。

ということで、夕食はこのお店(海悦楼景観茶坊)で取りました。
これぞ中華という感じで、美味しく頂けました。

帰りは、九份老街のバス停から台北に戻る直行便があります。1062番と965番のバスです。しかし、台湾の夜はとても早く、8時も過ぎると基山街のお店もほとんどが閉店してしまいますし、バスも9時が最終らしいのですが、本数が少なく、いつ来るか不明でして、仕方なく、来た道をそのまま戻ることにしました。つまり、九份老街からバスで瑞芳駅に移動し、TRAに乗って台北に戻りました。

九份観光のご参考になれば幸いです。

Glyco26におけるレクチンアレイと糖鎖アレイの動向について

2023年8月27日~9月1日にかけて、台北のAcademia Sinica(中央研究院)において、Glyco26が開催されました。

先ずはレクチンアレイ(レクチンマイクロアレイとも呼ばれる)の動向についてまとめてみたいと思います。
ご存知かと思いますが、レクチンアレイが登場したのは2005年であり、二つのグループ、米国のLara Mahalと日本のJun Hirabayashi、よりレクチンアレイを用いた糖鎖プロファイリング解析技術が論文化されました。下記は、Glyco26におけるUniv. of AlbertaのLara Mahalのプレゼン(D010)のひとこまです。

ご参考:Lara Mahalらのグループ
ご参考:Jun Hirabayashi, Atsushi Kunoらのグループ
後者の論文では、レクチンアレイを用いた糖鎖プロファイリング解析法として、これまた世界初の技術となりますが「エバネッセント波蛍光励起法」が採用されたことが記載されています。この方法は、スライドグラスに固定化されたレクチンとアナライトとしての蛍光標識された糖タンパク質の弱い相互作用を液相から非破壊にて直接的に検出することを可能にしたものです。実は、本ブログの管理人も本論文の共著者であり、この技術は糖鎖プロファイラー(GlycoStation® Reader 1200)として、管理人の手により、2007年に上市されました。

Glyco26におけるレクチンアレイを用いた、或いはまたレクチンアレイそのものに関する研究進展としては、前者に関しては、Academia Sinicaのグループと産総研のグループからの発表がありました。
Academia SinicaのWu-Show Suらのグループは、癌細胞が分泌するIL6の糖鎖プロファイリングにレクチンアレイを使用しており(A107)、産総研のAtsushi Kunoらのグループは、心繊維症のパラフィン固定サンプルを用いて、局所部位毎の糖鎖修飾の違いを検証していました。本研究では、進化したエムックの糖鎖プロファイラー、GSR2300、が使用されており、わずか細胞3個から糖鎖プロファイリングを取得することが可能であることが示されていました(C050)。
レクチンアレイに関しては、2つのグループから、ヒトレクチンのアレイ化に関するプレゼンがありました。
ICLのKurt Drickamerらのグループは、C-typeレクチン、ガレクチン、Siglecら合計31種のヒトレクチンを固定化したアレイを用いて、それらヒトレクチンと病原菌との結合特異性をスクリーニングしています。ヒトの自然免疫の最前線にいる各種レクチンが様々な微生物とどのように反応するかという独自の情報を提供するものであり、これによってヒトレクチンアレイの有用性が示されたとしています(D026)。本研究では、ヒトレクチンをBiotin化し、Streptavidinを敷いた基板上に糖鎖が固定化されていました。また、GlycoGeneticsは、ガレクチンをメインとして11種のヒトのレクチンを固定化した商品をアナウンスしていました(C072)。現存するレクチンアレイは、LecChipを代表例として植物レクチンを搭載するものが多く、ヒトレクチンを搭載するレクチンアレイは、レクチンアレイの新しい潮流であります。しかしながら、ヒトレクチンの糖鎖結合特異性は自然免疫系が中心でありそれほど糖鎖の網羅性は高くもなく、糖鎖プロファイリングという視点では、植物レクチンを中心とする従来型のレクチンアレイは十分に強力ですし、網羅性も高く(例えば、Slovak Academy of SciencesのJaroslav Katrilikらの植物レクチンを使ったアレイ(C053)も参考にできる)、従来型のレクチンアレイとヒトレクチンアレイは、使用用途毎に棲み分けが進むものと思われます。

次に糖鎖アレイの動向に関してですが、ご存知のようにその網羅性の高さから米国CFGの糖鎖アレイが、デファクト的なポジションを占めています。この糖鎖アレイを用いて糖鎖結合性タンパク質の糖鎖結合特異性を評価しているプレゼンが幾つか見受けられました。Glyco26で最も注目されたこの分野でのプレゼンは、Harvard Medical SchoolのShang Chuen Wu, Richard Cummings, Sean Stowellらのグループによる「SARS-CoV-2のスパイクタンパク質が血液型Aに対して特異的な親和性を示す」というそれかも知れません(A071)。横浜市大のRyuhei Hayashi, Yashuhiro Ozekiらのグループは、独自の糖鎖アレイ(GlycoTechnica製)を用いて、カイメンレクチンの糖鎖結合特異性を議論していました。新規に見つかったChal18と名づけられたレクチンは、T-抗原に非常に強い特異性を示し、大腸癌細胞に対して強い細胞毒性を示すことも示されました(A031)。
糖鎖アレイに関する新たな潮流は、病原菌に特有な糖鎖をアレイ化する動きです。Academia SinicaのLaurriel Macali and Todd Lowaryらのグループは、66種類の微生物から切り出して精製した糖鎖を固定化した糖鎖アレイを用いてマイコバクテリオファージの糖鎖結合特異性を議論しています。本糖鎖アレイにおいては、糖鎖はネオグライコプロテイン法(即ち、切り出した糖鎖とBSAのコンジュゲートを作り、BSAをスライドグラス上に固定化する方法)を用いてスライドグラス上に固定化されています(A040)。
微生物の糖鎖は多岐に渡りその精製も大変です。更に、実際に微生物表面上で発現している糖鎖の状態と切り出してスライドグラス上に固定化した糖鎖では同一な存在状態ではないことから、Harvard Medical SchoolのHau-Ming Jan and Sean Stowellらのグループは、微生物をそのままアレイ化してしまう方法(microbe microarray: MMA)を提案し、Gal-8との相互作用を例として、MMAの方が糖鎖アレイよりもより正しく結合性を予測できるとしています(A048)。

Glyco26では、全発表数が343件もありましたので、管理人が全てを網羅できず、見落としているものもあるかも知れません。その点をご容赦頂きまして、この情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。