骨格筋線維症においては、Gal-3+ マクロファージとオステオポンチンが高発現している

Department of Physiology and Biophysics, University of California Irvine, Irvine, CA, USAらのグループは、骨格筋繊維症においては、特徴的なマクロファージ集団が高発現していると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10328414/

マクロファージは自然免疫において中心的な役割を果たしており、組織の修復と細胞外マトリックスの再構築を調節することによって組織の恒常性に貢献しています。マクロファージには、M1 とM2の2種類があることが知られており、急性筋肉外傷では、炎症誘発性のM1マクロファージが最初に損傷した筋肉に浸潤して、細胞残骸を貪食し、筋幹細胞を活性化します。その後、M2マクロファージへ移行して、筋幹細胞の分化と炎症の解消が促進されます。

骨格筋線維症の場合、gal-3+ マクロファージが筋ジストロフィー中に慢性的に活性化されていることが分かりました。ジストロフィー筋の空間的なトランスクリプトーム解析により、ジストロフィー筋には、gal-3+ マクロファージと筋線維症に関連する遺伝子を発現している間質細胞が高発現しており、更には、gal-3+ マクロファージはジストロフィー性病変部に間質細胞と共局在し、オステオポンチンがこれらの細胞型間の情報伝達を仲介していることも分かりました。