糖鎖プロファイラー GlycoStation Reader 2300(GSR2300)は、わずか3個の細胞からその糖鎖プロファイルを取得することが可能

産総研)細胞分子工学研究部門)分子細胞マルチオミクス研究グループらは、エバネッセント波蛍光励起スキャナー(糖鎖プロファイラーとも呼ばれる)GSR2300の優れた高感度特性について報告しています。
https://link.springer.com/article/10.1007/s00216-023-04824-2

本論文では、最新モデルであるGSR2300をmGSR1200-CMOSスキャナと呼び、旧モデルのGSR1200をmGSR1200 (CCD)スキャナと呼んでいます。

結果として、エバネッセント波蛍光励起スキャナーの最新モデルであるGSR2300は、高NAの等倍無限遠補正光学系とデジタルビニングモードを備えるハイエンドsCMOSイメージセンサーを搭載することで、旧モデルのGSR1200に比べて優れた性能を示すことが実証されています。

具体的には、GSR2300を用いることで、より高感度で、精度と再現性に優れた分析が可能になり、細胞や組織からの少量の精製糖タンパク質やクルードな状態のタンパク質に対して、より短いスキャン時間(最速=15秒)で信頼性の高い糖鎖プロファイルが得られます。特に、GSR2300の感度特性における直線性を維持できる下限はGSR1200のそれより少なくとも4倍低くなっており、この特性により、GSR2300はわずかに3個の細胞があれば、その糖鎖プロファイリングが可能であります。これによって、非常に小さな細胞集団間の糖鎖の不均一性や内部の糖鎖の発現状態を容易に検出できることが示されています。

世界最高性能のエバネッセント波蛍光励起スキャナー(糖鎖ロファイラー)が登場したと言っても過言ではありません。