海洋環形動物におけるR型レクチン

University of Chittagong, Bangladesh (実は、ブログ管理人も共著なのですが)のグループは、海洋環形動物が持つR型レクチン(PnL)について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8399747/

以前、著者らは、イソゴカイからGalに結合特異性を持つR型レクチン、PnLの抽出に成功していました。

R型レクチンは、トウゴマに含まれるABサブユニットからなるタンパク質毒素であるリシンB鎖に由来します。それらは通常、各サブドメインにGln-X-Trp(Q-X-W)シーケンスを持つ3葉のクローバーのようなβトレフォイル構造を持っています。どうして海洋環形動物がR型レクチンを持つのか?海洋環形動物のR型レクチンPnLはどんな機能を持つのか?については、依然として明確な回答はありません。しかし、PnLがどの部位に発現しているか?を知ることはその第一ステップになるに違いありません。

全体としてみると、PnLは、表皮、剛毛、斜筋、針状突起、神経索、および原腎管らの特定の細胞から分泌された後、細胞外の場所で発見されました。興味深いことに、Gal/GalNAcを含む糖鎖がPnLが発現している部位とほとんど同じ箇所で見つかっています。

これらが同じような場所に存在するということはブログ管理人にはとても興味深く見えます、だって植物毒素のリシンは、Gal特異的であり、明らかに外敵となる動物細胞をターゲットにしているからです。PnLは本当に何をしているのでしょう?興味は尽きません。