新型コロナウイルス(COVID-19)からの回復やウイルスの完全排除には、S-タンパク質或いはそのRBDに特異的なIgGが鍵となる

武漢における1850人の新型コロナウイルス(COVID-19)患者から、SARS-CoV-2に対するIgGの動的変化を調査しました。もしもIgGの産生量が少ないと、回復後(退院後)のウイルス完全排除に問題があり、RT-PCRによるSARS-CoV-2ウイルス検査で再陽性になる可能性があると指摘されています。
https://www.nature.com/articles/s41467-020-19943-y

IgGの動的変化について、以下のようなことが示されています。

  • 軽症者の場合に比べて、重症者の場合は、IgGの産生が1週間近く遅れる傾向がある。
  • 重症者の場合は、IgGの産生レベルは顕著に高くなり、高齢者の場合においても、IgGの産生レベルは高くなる傾向にある。
  • 退院時にIgGの産生レベルが低い患者の場合には、SARS-CoV-2のRT-PCR再検査で陽性となる場合があり、注意する必要がある。