新型コロナウイルス(COVID-19)の死亡率と関連した免疫関連のバイオマーカーを同定

新型コロナウイルス(COVID-19)の重症化においては、サイトカインストームが発生しているということが定説となっており、血中サイトカイン濃度の変化については多くの研究例が存在しています。
その中でも特質すべき幾つかの研究には、既に本ブログ記事の中でも紹介していますが、

本稿においては、イタリアにおけるCOVID-19の患者から得られた結果を紹介します。
https://insight.jci.org/articles/view/144455

臨床的なパラメーターとしては、好中球/リンパ球比、LDH、CRP、そしてD-dimerらの上昇が死亡率と相関していることが示されています。

血中のサイトカインについては、66種類が網羅され、その中でも、MCP-1/CCL2, sTNFRSF1A, MMP-9, NGAL, S100A9, sST2, IL-10, IL-15がCOVID-19の重症化に深く関係しているという事が示唆されています。
因みに、
MCP-1/CCP, sTNFRSF1Aは、NK-kB依存のマーカー、
MMP-9, NGAL, S100A9は、好中球由来、
sST2は、敗血症マーカー、
IL-15は、NK-細胞の活性化と機能に関連、
IL-10は、重度の肺炎の反作用、
として議論されています。

重症化のメカニズムが具体的に判明するに従って、有効な治療薬が絞られていくことでしょう。