子供がCOVID-19で何故重症化しないか?の鍵は鼻腔粘膜における自然免疫にある

インフルエンザ・ウイルスやRSウイルスでは、子供の方が大人よりも重症化しやすいにも関わらず、COVID-19では何故子供は大人よりも軽症なのか?については、幾つかの仮説があります。例えば、ACE2の発現量が子供の方が少なくウイルスの感染量が少ない、風邪のウイルス(229E, NL63, HKU1)に対する交差反応が感染を保護する、自然免疫自体が子供の方が強く、感染初期にウイルスを抑え込んでしまう、などです。

Albert Einstein College of Medicineらは、鼻腔粘膜における自然免疫が子供では強いことを見つけました。子供は大人よリも頻繁に風邪を引くことから、鼻腔粘膜における免疫が強くなっていることも推測されます。鼻Swabで取得したサンプル溶液からのサイトカイン(IFN-γ, IFN-α2, IL-1β, IL-8)は、子供で顕著に増加していることが分かります。鼻腔粘膜での自然免疫の活性化により、ウイルスの排除が進み、重症化しないと考えられます。
https://insight.jci.org/articles/view/148694