TNF-αとIFN-γの協同効果が、新型コロナウイルス(COVID-19)の重症化の核心にあるようだ

新型コロナウイルスでCOVID-19を発症し重症化した場合には、IL-6, IL-18, IFN-γ, IL-15, TNF-α, IL-1α, IL-1β, IL-2といったサイトカインが高発現し、いわゆるサイトカインストーム状態に陥ります。COVID-19の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)が、このサイトカインストームと直接的に相関していることは広く知られています。

このような多様なサイトカインの発現において、特にTNF-α, IFN-γの協同効果が重症化の原因になっているらしいということが下記のグループから指摘されています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7605562/

TNF-α, IFN-γの協同効果が、COVID-19の症状を模倣するということのマウスを用いたin vivo検証例が下記です。

 

 

 

 

また、SARS-CoV-2を感染させたhACE2トランスジェニックマウスにTNF-α, IFN-γの中和抗体をアプライすることで、生存率が大きくアップすることもin vivoで検証されています。

 

 

 

 

即ち、TNF-α, IFN-γを含めその下流にあるシグナルパスに対する的を突いた阻害剤がCOVID-19の重症化治療につながりそうです。