SARS-CoV-2 Spikeに対する抗体をコートした金のナノ粒子(GNP)は、SARS-CoV-2の感染を100%阻止できる

Jackson State University, USAらのグループは、SARS-CoV-2 Spikeに対する抗体をコンジュゲートした金のナノ粒子(GNP)が、SARS-CoV-2の感染を完全に阻止できることを示しました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8323809/

クエン酸がコートされたオリジナルのGNPの大きさは、15 ± 2 nmでしたが、抗スパイク抗体をコンジュゲートすることで大きさは27 ± 6 nm に増加しました。

感染実験において、SARS-CoV-2 疑ウイルス(# C1110G, Montana Molecular, Bozeman, MT) と、HEK293T 細胞が使われました。HEK293Tには、SARS-CoV-2の感染受容体であるACE2が発現していることが知られています。

下図に示すように、抗スパイク抗体がコンジュゲートされたGNPは、HEK293T細胞におけるSARS-CoV-2の感染増殖を完全に阻害できました。感染阻害効率は、100 ng/mLの高Spike抗体がコンジュゲートされたGNPの場合に100%に達し、10ng/mLの場合で60%に達していました。比べて、PEGがコートされたGNPや100 ng/mLの抗スパイク抗体の場合には、感染阻害効率は1%以下という低さでした。

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しかしながら、ブログ管理人は、この方法がin vivoでも使えるのどうか?については、不明です。