SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の糖鎖結合特異性について

Department of Medical Laboratory Science and Biotechnology, College of Medicine, National Cheng Kung University, Tainan 70101, Taiwanらのグループは、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の糖鎖結合特異性についてAlphaScreen法を使った解析結果について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8880561/

アッセイ:
ドナービーズ(500 ng/ウェル)およびビオチン化PAA-糖鎖(20 ng/ウェル)をSARS-CoV-2スパイクタンパク質S1またはS2サブユニット(10〜20 ng/ウェル)と混合し、室温で1時間インキュベート。アクセプタービーズ(500 ng/ウェル)とウサギ抗羊IgG Fc抗体(10 ng/ウェル)の混合物を反応液に加え、最終溶液を25μLとする。すべての反応は暗所で行い、2時間のインキュベーション後、AlphaScreenTM検出プログラムを使用して、結合シグナルを測定および分析。

結果:
SARS-CoV-2スパイクタンパク質S1サブユニットは、血液型A抗原に(強く)およびB抗原に(弱く)、スパイクタンパク質S2サブユニットはLewisa抗原に特異的に結合することが示されました。しかし、ブログ管理者の目には、これら以外の糖鎖構造にアフィニティーを持たないという訳ではなく、特にS2サブユニットの特異性はそれほど顕著ではないと映ります。