SARS-CoV-2に対する抗体の母乳へのトランスファーは、IgAとIgMが主体である

Department of Biological Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA, USAらのグループは、SARS-CoV-2に特異的な抗体の母乳へのトランスファーは、IgAとIgMが主体であると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8531199/

以前の研究では、妊娠した女性の抗体のFcエフェクター機能は、胎盤を経由して子供にトランスファーされるということが分かっています。しかしながら、そのFcエフェクター機能の母乳へのトランスファーについては、良く分かっていませんでした。

当然でしょうが、SARS-CoV-2に感染した母親は、SARS-CoV-2に特異的な抗体を血中にも母乳の中にも持っていました。しかし、興味深いことに、母乳へのトランスファーは、IgAとIgMが主体であり、IgG1のトランスファーはかなり限定的であることが分かったのです(下図参照)。