Neu5Gcに特異的なレクチン(SubB2M)を用いて乳癌を極めて高い感度と特異度で検出できる

Institute for Glycomics, Griffith University, Gold Coast campus, Southport, QLD 4222 Australiaらのグループは、血清Neu5Gcバイオマーカーが乳癌の早期発見に対する強力な武器になると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8962556/

α2–3結合Neu5Gcを認識する新しいレクチンが、志賀毒素を産生する大腸菌(STEC)サブチラーゼ細胞毒素(SubAB)のBサブユニットから作られました。このレクチンの糖鎖結合特異性ををα2–3結合Neu5Gcからα2–3とα2–6の両方のNeu5Gc結合を含むように改変し、SubB2Mと名付けられました。SubBA12と名付けられた非シアル酸結合性分子も、Ser12をAla12に置き換えることで開発されました。このSer残基の変異によって、シアル酸のC1カルボキシレート基との相互作用が消失し、SubBA12変異体はシアリル糖鎖に結合できなくなります。

SPRバイオセンサーを使用して乳癌患者と健常人の血清Neu5Gcレベルが測定されました。
SubB2M固定化センサーチップのSPRシグナルからSubBA12固定化センサーチップのSPRシグナルを差し引くことにより、非特異的結合の効果が排除されました。
その結果、血清Neu5Gcレベルは、高い特異性(100%)と感度(98.96%)で、乳癌患者と健常人を明確に区別できることが示されました。