miRNAのプロファイルがCOVID-19の優れたマーカーとなり得る

University Hospital Arnau de Vilanova and Santa Maria, Spainらのグループは、miRNAのプロファイルがCOVID-19の優れたマーカーとなり得ることを報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8149473/

血中のmiRNAの発現レベルをCOVID-19の入院患者とICU患者の間で比較を行いました。その結果、41種のmiRNAの内、10個に有意差が見られました。

多変数モデル予測を用いて、入院患者とICU患者の判別を行った処、AUCは0.89に達しました(95% CI: 0.81-0.97)。この値は、COVID-19の重症度を判別するマーカーである既存のマーカーに比べて勝るとも劣らない数値です、因みにleukocyte counts (AUC=0.72)、D-dimer (AUC=0.87)、CRP AUC=0.72)であります。

更に、血中のmiRNAが重篤なCOVID-19患者を予測できるマーカーになり得るかについて検討が行われました。6個のmiRNAがICU治療を受けても生存できなかった患者において、優位に低下していることが分かりました(miR-16-5p (FC=0.69)、miR-92a-3p (FC=0.78)、miR-98-5p (FC=0.56)、miR-132-3p (FC=0.69)、miR-192-5p (FC=0.66)、miR-323a-3p (FC=0.66))。多変数モデル予測を用いて検討した結果、2個のmiRNA(miR-192-5p、miR-323a-3p)がその予測に有効であり、得られたAUCは0.80に達しました(95%CI: 0.64-0.96)。