KLF12/Gal-1の発現制御が癌の免疫治療の効率化に繋がるかも知れない

Department of Thoracic Surgery, Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical College, Beijing, Chinaらのグループは、KLF12/Gal-1軸が癌の免疫療法に抵抗性を持つ患者に対する新しい治療ターゲットになり得ると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10432659/

本研究では、腫瘍細胞におけるKLF12の発現減少は免疫逃避の重要なメカニズムであり、抗PD-1療法に対する耐性につながることが実証されました。機構的には、KLF12はGal-1のプロモーター領域に直接結合してその発現を阻害し、それによって腫瘍微小環境へのCD8+ T細胞の浸潤が促進され、腫瘍細胞を死滅させることが出来ると言う訳です。

KLF12 の作用機序に関する継続的な研究と薬剤耐性を回避するための新しい併用免疫療法は、がん患者にとってより効果的な治療選択肢を提供する可能性があると結論しています。