COVID-19軽症者の免疫記憶(CD4T細胞反応)とSARS-CoV-2に感染していない健常者のSARS-CoV-2に対する交差反応について

National Institute of Immunology, New Delhiらは、COVID-19の軽症者の免疫記憶とSARS-CoV-2に感染していない健常者のSARS-CoV-2に対する交差反応について報告しています。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fimmu.2021.636768/full

COVID-19軽症者においては、感染後5カ月(中央値=3カ月)は、SARS-CoV-2に対する免疫記憶がCD4T細胞反応としてみられると報告しています。一方、SARS-CoV-2に感染していない人のSARS-CoV-2に対する免疫反応は、Spikeタンパク質に対しては殆ど起こらず、SARS-CoV-2に対して免疫反応を示した66%の人のCD4T細胞は、Nタンパク質をターゲットとしていました。SARS-CoV-2に感染した人では、逆にCD4+T細胞はNタンパク質よりもSpikeタンパク質をターゲットとしていました。
SARS-CoV-2未感染者のCD4T細胞がどの程度SARS-CoV-2の感染を抑制し、COVID-19の重症化を押さえるのかについては、更に詳細な研究が必要です。