線維芽細胞増殖因子受容体のN-型糖鎖へのガレクチンの結合が細胞活性に影響を及ぼす

Department of Protein Engineering, Faculty of Biotechnology, University of Wroclaw, Polandらのグループは、ガレクチン(Gal-1, Gal-3, Gal-7, Gal-8)が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のN-型糖鎖に結合することによりFGFRのクラスタリングが起こり、その下流にあるシグナル伝達カスケードを活性化すると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10070233/

ガレクチンは受容体への直接作用を通じて FGF/FGFR 細胞プロセスを調節し、ガレクチン誘導 FGFR シグナル伝達の細胞への影響は、標準リガンド (FGF) によって達成されるものとは大きく異なることが実証されました。

Gal-1、-3、-7、および-8は、ヒトガレクチンの中でFGFR(FGFR1~FGFR4)の最も効果的なバインダーであり、ガレクチンの多価性によって誘起されるFGFR1のクラスタリングが、FGFR1の活性化とその下流のシグナル伝達カスケードの活性化に不可欠であることが示されました。興味深いことに、Gal-1、-3、および-8 と FGF1 が協調することによって、個々のタンパク質が作用するよりも効果的に生存細胞数が増加しました。更に、FGF1 とGal-1 およびGal-3が協調することによって、それぞれの単一タンパク質が作用した場合と比較して、グルコースの取り込みが増強されることも示されました。