粘表皮癌(唾液腺悪性腫瘍の一種)における特異的なMUC1の糖鎖マーカー(シアリル化 core-2 O-型糖鎖)

東京歯科大らのグループは、α2,3-結合シアル酸含有core-2 O-型糖鎖で修飾されたMUC1は、粘表皮癌の新しい潜在的な診断マーカーになる可能性があると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10082819/

唾液腺腫瘍は、全腫瘍の約 1%、頭頸部腫瘍の 3 ~ 6% を占めています。 粘表皮癌は、まれな唾液腺悪性腫瘍の中でも最も頻度が高い癌です。 粘表皮癌は、粘液を生成し、高度に糖鎖修飾を受けた高分子量糖タンパク質であるムチンの一種であるMUC1を異常に発現するという明確な特徴を持っています。具体的には、粘表皮癌は、シアリル化core-2 O-型糖鎖(GlcNAcβ1-6(Galβ1-3)GalNAcαSer/Thr)の修飾によって特徴付けられるMUC1を産生し、更に、そのシアル酸修飾は、α2,3結合であることが分かりました。これらの特異的なMUC1は、粘表皮癌の粘液細胞および非粘液細胞に発現していました。