ピーナッツの根からの分泌物と善玉菌であるバルクホルデリア・パイロシニア P10菌の遺伝子発現の変化について

College of Life Sciences, Guizhou University, 550025 Guiyang, Guizhou, Chinaのグループは、ピーナッツの根からの分泌物と善玉菌であるバルクホルデリア・パイロシニア P10菌の遺伝子発現の変化について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10061817/

ピーナッツの根からの分泌物は、主に有機酸とアミノ酸で構成されていましたが、糖、アルコール、脂肪酸、糖アルコール、糖酸などの成分も含まれていました。検出された化合物には、比較的高濃度で存在するリンゴ酸、乳酸、コハク酸、ピルビン酸、シュウ酸、クエン酸などの低分子量有機酸が含まれていました。アラニン、グリシン、プロリン、バリン、フェニルアラニン、イソロイシン、チロシン、メチオニン、スレオニン、グルタミン酸、セリン、リジン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸など、さまざまなアミノ酸も検出されました。キシロース、アロース、リキソース、およびリボースは、ピーナッツの根からの分泌物の中で最も顕著な糖であり、脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸など)、アルコール(4-ヒドロキシフェニルエタノール、ミオイノシトール、フィトール)、糖アルコール(トレイトール、キシリトール、ソルビトール、アラビトールなど)、糖酸(ガラクトン酸、グルコン酸、トレオン酸など)、その他の成分(インドール-3-アセトアミドおよび尿素)も含まれていました。

一方、バークホルデリア・パイロシニア P10菌において発現が昂進している遺伝子は、ATP結合カセット(ABC)トランスポーター、ステロイド分解、クオラム センシング(QS)、シデロフォア グループの非リボソーム ペプチドの生合成、およびガラクトース代謝に関連しています。より具体的には、発現レベルが 1.01 ~ 5.83 倍昂進した47 個の遺伝子が、ミネラルおよび有機イオン、オリゴ糖、単糖、アミノ酸、ペプチド、鉄シデロフォア、および ATP 結合カセット サブファミリー C(ABCC)らの輸送に関連していました。 場合によっては、アルカンスルホン酸輸送に関与する ssuA-C-B 遺伝子、afuA-B-C 遺伝子(Fe3+ 輸送)、proX-W-V 遺伝子(グリシンベタイン/プロリン輸送)、および araF-H-G 遺伝子(L-アラビノース輸送)を含む遺伝子クラスター全体の転写が観察されました。更に、QS に関与する 19 の遺伝子とステロイド分解に寄与する4つの遺伝子の発現が昂進していました。シデロフォア グループ非リボソーム ペプチドの生合成に関与する3つの遺伝子とガラクトース代謝に関連する5つの遺伝子の発現レベルも昂進していました。P10菌の接着とバイオフィルム形成に関連する遺伝子の発現にも変化が見られ、グルコースとマンノース、アミノ糖、およびリボースの代謝を媒介する経路では、マンノース-1-リン酸を GDP-マンノースに変換する酵素をコードするマンノース-1-ホスホグアニルトランスフェラーゼ遺伝子 algA の発現が昂進していました。生成された GDPマンノースは、重要なエキソポリサッカライド構成要素であり、バイオフィルムの主成分であります。