Ladoke Akintola Univ. of Technology, Ogbomoso, Oyo State Nigeriaらのグループは、先のブログで紹介した研究に近いのですが、SARS-CoV-2の前駆体タンパク質切断酵素(メインプロテアーゼ: Mpro)をターゲットとして、サポニンとタンニンについて、分子ドッキング・分子動力学的シミュレーションによって、その阻害効果を評価しました
https://link.springer.com/article/10.1007/s40203-020-00071-w
サポニンは、植物の根、葉、茎などに含まれていますが、特にマメ科の植物に多く含まれており、抗酸化作用を持つことで知られています。一方、タンニンは、種子に含まれる渋み成分であり、渋柿のそれが良く知られています。タンニンはタンパク質と強く結合して変性させる作用があり、タンニンによる変性作用のことを「収れん作用」と呼びます。
結果は、下記のようですが、レムデシビルに勝るとも劣らない抗ウイルス作用を示す可能性があります。in vivoでの評価が期待されます。
Ligands | Binding affinity (ΔG) kcal/mol | Inhibition constant (Ki), µM |
サポニン類 | ||
Priverogenin A | − 8.3 | 0.83 |
Arjunic acid | − 8.1 | 1.16 |
Theasapogenol B | − 8.1 | 1.16 |
Euscaphic Acid | − 8.0 | 1.37 |
タンニン類 | ||
Punicalagin | − 9.0 | 0.25 |
Punicalin | − 8.6 | 0.5 |
Ellagic acid | − 8.4 | 0.7 |
Corilagin | − 8.2 | 0.98 |
Gallagic acid | − 8.1 | 1.16 |
比較対象 | ||
Remdesivir | − 7.6 | 2.7 |