新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)における感染経路としてCD147も疑われる

エンベロープを持つウイルスにおいては、宿主細胞の細胞膜表面に存在する受容体とエンベロープタンパク質の結合が感染をイニシエートします。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)においては、ACE2がその受容体になるということが一般的に認識されています。ACE2は、肝臓、肺、胃、腎臓、大腸らに発現していますが、肺におけるACE2の発現はむしろ少なく、COVID-19の重症化を鑑みれば、他の感染ルートが存在していることが疑われます。免疫細胞に広く発現しているC-型レクチンもその候補ではありますが、以下のグループは、CD147が感染経路になり得るということを示しています。
https://www.nature.com/articles/s41392-020-00426-x

CD147とS-タンパク質の相互作用は、SPR及びELISA法で検証され、VeroE6, BEAS-2B細胞を用いた実際の感染実験も行われています。
CD147を介した感染は、そのメカニズムとして細胞膜融合ではなく、エンドサイトーシスであるとのことです。