新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とACE2の結合に対する糖鎖の影響は限定的

University of Southamptonのグループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染受容体であるACE2の結合について、ACE2の糖鎖修飾の影響を調べました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022283620306872?via%3Dihub

WTのACE2に対してST6を加えてシアル酸修飾を増加させたもの
WTのACE2に対してSialidaseを加えて、シアル酸を切断させたもの
WTのACE2に対してkifunensineを加えて、糖鎖構造をMan9GlcNAc2主体に変化させたもの
WTのACE2に対してEndoHを加えて、N型糖鎖を除去したもの
WTのACE2に対してFucosidaseを加えて、Fucを切断したもの
らについて、S-タンパク質との結合をSPRによるKd値の測定を介して議論しています。

 

 

 

 

 

 

ACE2からN型糖鎖を除去した場合は、若干結合力はあがりますが、その影響は限定的です。
ACE2のFuc修飾はほとんど影響を与えないことがわかります。
ACE2のシアル酸修飾がSARS-CoV-2の感染力に影響を与える事はなさそうです、むしろ感染力を弱める。
ACE2のHigh Mannoseは若干感染力を弱めるようです。