新型コロナウイルス(COVID-19)の治療には、全身性コルチステロイドの方がトシリズマブ(アクテムラ)に勝る

新型コロナウイルス(COVID-19)が重症化するとサイトカインストームが発生し、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症します。この治療については、免疫制御という観点から、IL-6阻害剤であるトシリズマブ(アクテムラ)や炎症を抑えるステロイドが使用されています。

Yale School of Medicineのグループは、ランダム化プラセボ対照試験から、全身性コルチステロイドの方が治療効果が高く、トシリズマブの効果は明確ではないという報告をしています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7781335/

下図の如く、COVID-19の各種バイオマーカーの振る舞いは、コルチステロイドとトシリズマブでは大きく異なっています。恐らく、単一のサイトカインを阻害しても効果は限定的ということなのだと思われます。