新型コロナウイルス(COVID-19)において、ヒドロキシクロロキンのウイルス増殖阻害効果は認められなかった

新型コロナウイルス(covid-19)の治療薬の候補の一つにヒドロキシクロロキンがあります。この物質は、RNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を阻止するとされています。
作用機序については、細胞壁にゲートを開き、亜鉛イオンが細胞内に入り込めるようにすることで、その亜鉛がRNAポリメラーゼの働きを阻害するというものです。

新型コロナウイルスに対して、このヒドロキシクロロキンの効果を投与群と非投与群を比較した結果が報告されています。評価の指標としては、新型コロナウイルスの量をRT-PCRにおけるPCR反応閾値に達するサイクル数(Ct)を用いています。
誠に残念ながら、有効性を示すデータは得られなかったということです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7592126/

過日、同じように作用機序は違いますがウイルスの増殖を阻害するレミデシビルについて、効果が認められないという発表をWHOが行っています。
益々持って、新型コロナウイルスの治療薬には先が見えません。