新型コロナウイルス(COVID-19)の病態を最も正しく反映する指標は、唾液中のウイルス量である

Yale University School of Medicineらのグループは、新型コロナウイルス(COVID-19)の病態を最も正しく反映するのは、唾液中のウイルス量である、という報告をしています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7805468/

COVID-19のマーカーとしては、炎症性サイトカインやケモカイン (CXCL10, IL-6, IL-10), インフラマソーム (IL-18, IL-1β), インターフェロン (IFNα, IFNγ, IFNλ)らがある訳ですが、唾液中のウイルス量が病態と非常に良く相関することが示されました。比較として鼻咽頭のウイルス量のそれも評価されています。ウイルス量は、唾液からRNAを抽出し、RT-PCRのCt値から、RNA copies/mLを計算しています。非入院者、中等症、重症、致死の判別精度については、中等症(AUC=0.96)、重症(AUC=0.89)、致死(AUC=0.91)という高い精度が得られています。

下図の上段は、唾液のウイルス量と病態との相関を、下段は、鼻咽頭のウイルス量と病態とのそれを示しています。