小麦の根圏:小麦の進化とともに、その根圏細菌叢も変化している

Plant Breeding and Biotechnology, Faculty of Agriculture, University of Tabriz, Tabriz, Iranらのグループは、小麦の進化に伴って根圏細菌叢も変化していることを示しています。小麦の祖先であるT. uratu とAe speltoides種(1.5から2百万年前)から現在の栽培種であるT. turgidum や T. aestivumに至る系統学的な見地からの進化の歴史とその根圏細菌叢の特徴について、成長期、生殖期での違いも含めて分析しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8881823/

アクチノバクテリアやプロテオバクテリアに属する多くの細菌(科)が、祖先種である (T. urartu, Ae. speltoides)と比べて、栽培種 (T. turgidum and T. aestivum)で顕著に増加していることが分かります(下図参照)。


(A)栽培化された小麦種と(B)野生の小麦種(祖先)における科レベルでの存在量の違いを成長段階ごとに色で示す。オレンジ=成長期、青=生殖期、および緑=両方のステージに共通であることを示す。