ロサルタン(高血圧の治療に使用されるACE2受容体拮抗薬)、第二相治験で効果を認めず治験を終了する

University of Minnesotaらのグループは、SARS-CoV-2の治療薬としてのACE2阻害剤であるロサルタンの第二相治験結果からロサルタンに治療効果はないとする結論を出しました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8225661/

この治験は、米国、ミネアポリスにおいて、昨年4月から11月にかけて行われたCOVID-19の治療を目的とするダブルブラインド・プラセボ治験を3か所で行ったものです。

試験介入は、ロサルタン 25mgであり、プラセボも同様です。 eGFR >60 mL/min/1.73 m2の対象者については、日に二回ロサルタンを10日間に渡って服用してもらい、eGFR 30–60 mL/min/1.73 m2の対象者については、日に一回の服用としています。ACE2阻害に対するスレッショールドは、日に20mgとされており、体内での半減期が6~9時間であることから、日に1回よりは2回の方が効果があるとされています。このドーズについては、FDAの最大ドーズ量と安全性の観点から日に50mgが最大とされており、その基準に従っています。このドーズでは、ACE2に対して37%の阻害効果があるとされています。

結果として、しかしながら、治療効果は何も認められず、ウイルス量もどの時点で測定しても差異は認められず、治験は終了しました。