ヘビ毒であるホスホリパーゼA2(PLA2s)がSARS-CoV-2に対して高い抗ウイルス活性を示す

Department of Molecular Neuroimmune Signalling, Shemyakin-Ovchinnikov Institute of Bioorganic Chemistry, Russian Academy of Sciences, Moscow, Russiaらのグループは、バイペラ・ニコルスキーというヘビの毒(ホスホリパーゼA2(PLA2)の二量体)が、SARS-CoV-2に対して高い抗ウイルス活性を示すと報告しています。.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34714362/

バイペラ・ニコルスキーから得た二種のヘビ毒(HDP-1、HDP-2)とそのサブユニット(HDP-2I、HDP-2P)を天然の抗ウイルス剤として評価しました。
Vero E6細胞を用いたSARS-CoV-2の感染実験において、HDP-2Pは、わずかに0.1 µg/mlの濃度でさえ、完全に感染を押さえることが出来ました。
一方、そのHDP-2PのVero E6細胞に対する細胞毒性は、100 μg/ml という濃度で、51%ほど細胞の生存率を下げるに留まるという結果でした。

これらの結果は、SARS-CoV-2に対する抗ウイルス薬を開発する上において、PLA2が天然物として高いポテンシャルを持つものであることを示しています。