葉に病原菌が感染すると、根からの分泌物が変化し、善玉菌を呼び寄せる

State Key Laboratory for Conservation and Utilization of Bio-Resources in Yunnan, Yunnan Agricultural University, Kunming, Chinaらのグループは、葉に病原体が感染すると、根からの分泌物が変化し、善玉菌を呼び寄せる、と報告しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36445116/

サンシチニンジンの葉に薬用ニンジン斑点病菌が感染すると、根圏細菌叢が変化し、根圏土壌における土壌伝染性病原体(Ilyonectria destructans)を抑制し、善玉菌(Trichoderma、Bacillus、および Streptomyces を含む)らを呼び寄せることが示されました。これら善玉菌は、病原菌(I. destructans)に対する拮抗能力を示しただけでなく、薬用ニンジン斑点病菌に対する植物の抵抗性を高めました。


葉の感染が根からの代謝分泌物を変化させる(GC-MS解析)、Inoculatedは、薬用ニンジン斑点病菌を感染させたことを意味する

これって、まるで、ヒトの免疫反応で、炎症部からサイトカインやケモカインが分泌され、白血球などの免疫細胞を炎症部位に呼び寄せる状況にそっくりです。根からの分泌物の変化がサイトカインやケモカインの分泌に相当していて、善玉菌が骨髄細胞由来の免疫細胞という訳です。