SARS-CoV-2 オミクロンはマウス起源?

University of Chinese Academy of Sciences, Beijing, Chinaのグループは、SARS-CoV-2オミクロン株の前駆株はマウスで進化したという仮説を提唱しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8702434/

一般的に言えば、ウイルスゲノムに蓄積する突然変異の分子スペクトルは、宿主特異的な細胞環境を反映します。

感染爆発前のオミクロン変異の分子スペクトルは、ヒトで厳密に進化したことが知られているSARS-CoV-2変異体の「標準」分子スペクトル(hSCV2スペクトル)とは大幅に異なり、興味深いことに、 感染爆発後のオミクロン変異の分子スペクトルは、hSCV2スペクトルと極似していました。統計的観点から、これらの分子スペクトル分析は、感染爆発前のオミクロン突然変異がヒトで獲得された可能性が低いことを強く示唆しています。

感染爆発後のオミクロン変異(ヒトで蓄積したことが知られている)の分子スペクトルは、ヒトの95%信頼性楕円内に位置していますが、対照的に、感染爆発前のオミクロン突然変異の分子スペクトルはマウスの信頼性楕円内にあり、感染爆発前の突然変異がげっ歯類(特にマウス)の宿主で蓄積したことを示唆しています。

また、RBDの感染爆発前のオミクロン変異は、分子ドッキング分析により、32種類の哺乳動物の中でマウスACE2に対して最も強い結合親和性を示したことも確認されました。