SARS-CoV-2 オミクロンは、2020年初頭に分岐し、独自の進化を遂げた?

Research Institute of Public Health, Nankai University, Tianjin, PR Chinaらのグループは、SARS-CoV-2 オミクロン株の起源について仮説を提唱しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35005525/

オミクロン株には53個を超える多数の突然変異があるにもかかわらず、既知の公開データベース(GISAID database)からは、これらの突然変異が時間の経過とともにゆっくりと蓄積したことを示唆する証拠は見つかりませんでした。さらに、系統樹の解析からは、オミクロン株の進化において、中間分岐が存在しないことが示されました。

オミクロン株がデルタ変異株から進化した場合、それらは共通の変異プロファイルを共有するはずです。しかし、GISAID databaseからの分析は、オミクロン変異体が、デルタ変異体から進化しなかったことが示されました。系統発生分析は、オミクロン変異体がガンマ変異体を姉妹群として単系統群を形成し、オミクロンとガンマの系統が2020年の前半に分岐した可能性が高いことを示しています。これは、オミクロンがヒト以外で進化した可能性があるという仮説を裏付けています。動物宿主に多くの突然変異を蓄積した後、変化したSARS-CoV-2が逆人獣共通感染症によってヒトに感染したと示唆されます。

オミクロン株の起源を特定するには、動物、特に疑われるげっ歯類が持っているウイルスを調査する必要があります。