RNAが糖鎖修飾を受けているという信じがたい発見

Stanford Univ.らのグループは、small noncoding RNAが糖鎖修飾の三番目の足場になるという驚くべき発見をしました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34004145/

糖鎖修飾を受けたRNA(GlycoRNAと命名)の存在は、次のようなプロトコルを用いて実証されました。著者らは、細胞をperacetylated N-azidoacetylmannosamine (Ac4ManNAz)を用いて代謝的にラベリングした後、RNAをTRIzolで抽出し、エタノールで沈殿させ、シリカカラムで脱塩化し、高濃度のproteinase K digestionによってタンパク質を除去し、シリカカラムで再精製しました。RNAを精製した後、DBCO-biotinを加えて結合させ、streptavidin-IR800を用いて可視化しました。

糖鎖修飾を受けるRNAの足場は、micro noncoding RNAであることが分かりました。GlycoRNAの大部分は細胞膜表面に存在し、少なくとも一つのシアル酸修飾を受けた複合型N型糖鎖で修飾されていることが分かりました。また、GlycoRNAはSiglecと直接的に結合することが示されました。

現在の生物学では、N型糖鎖修飾の足場としては、RNAは除外されています。このGlycoRNAの発見は、現在の生物学に問題があり、RNA糖鎖ワールドという新しい視点を加えるべきものであることを主張しています。更に、細胞内外の相互作用を介在制御する細胞表面の新しい複合糖質の存在可能性を謳っているのです。