逆相レクチンマイクロアレイで結腸直腸がんのマーカーを探索:PHAE + HL sel レクチンの組み合わせがベスト

Institute of Chemistry, Slovak Academy of Sciences, Bratislava, Slovakiaらのグループは、年齢に依存せず、直腸結腸がんに特異的な糖鎖変化をふたつのレクチンの組み合わせ(PHAE + HL sel)で高精度に判別することが出来ると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8695905/

ここでは、結腸直腸がんのマーカーとして着目される血清のグライコ―ムの変化を捉えるために、逆相レクチンマイクロアレイが使用されました。

逆相レクチンマイクロアレイとは何?
50倍に希釈された血清サンプルを、エポキシドでコーティングされたスライド上に、マイクロアレイスポッターを使用して、3連で異なるウェルにスポットします。続いて、ブロッキングした後、70μlのビオチン化レクチン(PBS中5μg/ ml)を添加し、室温で1時間インキュベートします。スライドをPBSで3回穏やかに洗浄した後、70μlのストレプトアビジン修飾された蛍光物質(PBS中0.1μg/ ml)を15分間添加します。洗浄ステップと脱イオン水での追加洗浄の後、マイクロアレイリーダーを使用して蛍光強度を読み取ります。

本実験で使用されたレクチン
AAL, RPL-Fuc1, PHAE, PHAL, ConA, DBA, WFL, WGA, RCAI, MAA, P sel, RPL-Sia2, SNAI, HPyL, HE sel, and HL sel

PHAE(N-ghlycans with outer Gal and bisecting GlcNAcに特異的)と HL sel(6-O-Su sLexに特異的) の組み合わせで、最も高い判別能力が得られました(AUC = 0.989)。