新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のNTDにガングリオシドに結合するドメインがあるという話

Aix-Marseille Université, Franceのグループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のNTDにガングリオシドに結合するドメインがあると述べています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7547605/

SARS-CoV-2 Spikeタンパク質のNTDにある111~162残基の領域がガングリオシドへの結合ドメインと考えられます。この為、アジスロマイシン(ガングリオシドに似た特徴を有するマクロライド抗生物質で、NTDの134~161残基の領域を認識する)や、COVID-19回復期患者から見つけられたNTDをエピトープとする4A8抗体(NTDの144~158残基をエピトープとする)で結合を阻害することができます。

下図に示すアイデアは、NTDのガングリオシドを認識するドメインが細胞膜上の脂質ラフトと結合することにより、細胞膜に局所的な歪みが生じ、ACE2との結合がアシストされることを示したものです。