新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染において、ヘパラン硫酸はウイルスの捕獲に関与、ACE2のシアル酸修飾はウイルスの結合を弱める

The University of Hong Kongらのグループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染におけるヘパラン硫酸とACE2の糖鎖修飾の影響について研究しています。
https://www.nature.com/articles/s41467-020-20457-w

SARS-CoV-2の感染実験に、Calu3 (肺上皮細胞) and Caco2 (小腸上皮細胞) を使用しています。ヘパラン硫酸の影響を調べるにはHeparinaseを使用し、ACE2の糖鎖については、特にシアル酸に着目し、Neuraminidase (NA) を使用しています。

下図のように、Heparinazseのアプライで、ウイルス感染が抑制されており、ACE2の共受容体としてウイルスの捕獲にヘパラン硫酸が関係していることが示されています。ACE2のシアル酸修飾については、Sialidaseでシアル酸を切断することにより、ウイルスの感染がむしろ強くなっていることが示されています。