固定化レクチン・アフィニティー蛍光ラベリング法によって唾液から肺がんを検出

Department of Respiratory Medicine, The First Affiliated Hospital of Soochow University, Suzhou, Chinaらのグループは、固定化レクチン・アフィニティー蛍光ラベリング法を用いた唾液からの肺がん検出について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9969232/

唾液や尿などのヒト生体液中の糖タンパク質の定量化は、背後にある病態生理学的変化を特定する最も簡単な方法です。本研究では、唾液タンパク質のフコシル化に着目し、その定量分析にレクチン (AAL、UEA-I、および LCA) を使用しています。

まず初めに、これらレクチンをアミノ基が固定化されたビーズに共有結合し、唾液から抽出された糖タンパク質に蛍光標識を加えます。レクチンビーズと蛍光標識タンパク質をインキュベートし、フコシル化糖タンパク質をレクチンビーズに結合させます。得られたレクチン結合糖タンパク質を96-MTPに置き、その蛍光強度をプレートリーダーで測定します。

結果として、唾液糖タンパク質のフコシル化は、健常者や他の疾患患者よりも肺がんで有意に昂進しており、肺がんの唾液フコシル化は、肺がんの病期を反映する悪性度に比例していることが示されました。