ミルク中のラクトースがロタウイルスによる子豚の下痢を押さえる

Laboratory of Virology, Faculty of Veterinary Medicine, Ghent University, Merelbeke, Belgiumらのグループは、ラクトースは、ロタウイルス感染を減らすことによる直接的な効果と、腸内環境のバランスをとることによってロタウイルスの感染を抑制することにより、子豚の下痢問題を改善することが出来ます、と報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9428151/

ロタウイルスは、動物やヒトに下痢を引き起こす主要な病原体です。高い罹患率と死亡率は、主に出生後の最初の数週間に観察されます。ロタウイルスには、6 つのウイルス構造タンパク質 (VP1-VP4、VP6、および VP7) と 6 つの非構造タンパク質 (NSP1-NSP6) をコードする 11 の二本鎖 RNA セグメントがあります。ロタウイルスは 10 種に分類されており、RVA、B、および C が、ヒトおよびブタを含む動物に感染する最も一般的な遺伝子型です。その中で、RVA 株はさまざまな種の中で最も有病率が高く、獣医界における下痢の主な原因となっています。

RBA の組換え VP8* タンパク質の糖結合特異性を、300 個の糖鎖を固定化した糖鎖アレイを用いて評価し、その結果、β-ラクトースに強く結合することがわかりました。
また、β-ラクトースが MA104 細胞のロタウイルス感染をドーズ依存的に減少させることも示されました。

ここで、13R054 G5P[7] と 12R046 G9P[23]は、RVA株です