Rab11 (リサイクリングエンドソーム経由の膜小胞輸送のレギュレーター) がどのようにN型糖鎖修飾に関係しているか?

大阪大学らのグループは、N型糖鎖修飾にRab11(リサイクリングエンドソーム経由の膜小胞輸送のレギュレーター)が深く関わっていることを発見しました。
https://www.jbc.org/article/S0021-9258(21)00126-5/fulltext

糖鎖修飾は、小胞体およびゴルジ体に存在する糖転移酵素によって制御されます。従って、それぞれの糖転移酵素が適当なポジションに存在しないと、正しく糖鎖修飾が行われません。しかし、糖転移酵素の正しい位置への輸送に関するメカニズムについては、分かっていません。

著者らは、膜小胞輸送のレギュレーターのRab11がα2-3Siaの修飾に大きく関わっていることを発見しました。Rab11をノックアウトした細胞では、α2-3Siaの修飾が大幅に昂進しており、この原因は、Rab11がα2-3Sia修飾に対する糖転移酵素ST3GAL4をゴルジ体領域外に輸送していることにありました。結果として、Rab11がα2-3Sia修飾をネガティブに制御していることが分かりました。

下図は、正常な状態でのRab11の役割を示しています。